串間市 赤池渓谷までぼっちポタ ~最終回
赤池渓谷は初めて来たけれど落ち着ける良いところでした。
県道34号都城串間線を北上していく。北帰行だ。渡り鳥になった気分だ。
最初は2車線の広い道だったが、2kmほど行くと道幅が狭くなった。
地図を見ると大矢取川沿いを走っていく。川沿いなので急な坂は無いが、その代わり
ずっとだらだらと上っている。こういうのが意外とじわじわと疲れてくるのだ。
交通量が少ないらしく路上に落ち葉が積もっているところがある。気を付けないと滑りそうだ。
くねくねとゆるい坂道が続いていく。
カーブミラーで自分を撮ってみる。なかなか上手くいかないものだ。
すこし開けた場所で休憩してみる。こんな山の中に1人で居るなんて、自由だなあと思う。
聞こえるのは川のせせらぎ、鳥の声、風が木を揺らす音。
自転車でなければ味わえない孤独感。いい意味での。
都城市に入った。あと6.2kmだ。だんだん勾配がきつくなってきた。
もう結構足にきていた。
バタバタと音がするので見ると、落石防止の金網の中で鳥が騒いでいた。
きれいな色をしている。
どうやら何か餌でも探して入り込んでしまったのだろう。急に人(私)が現れたものだから、
慌てて出ようとしてあばれたらしい。これ以上あばれて羽根が傷つくといけないので、
離れて様子を見た。
すると、わずかに開いていた隙間から飛び出し、すぐに飛んで行ってしまった。
あとで調べたら、アオバトという鳥らしい。初めて見た。きれいな鳥だった。
川の対岸の崖が大きく崩れていた。見たところ表土が薄く、礫岩だらけで
崩れやすそうだ。この写真を撮っていたら、車が音もなく来ていてびっくしりた。
こんな山の中で思いがけなく車や人に出会うと大層驚く。
やっと尾根を越えた。ここからは222号線まで下りだ。山の中を走ってきていたので、
開けたところに出るとほっとする。山の中の道が嫌いなわけではないのだが。
向こうに見えるのが国道222号線だ。
よく見ると棚田があるようだ。あんな狭いところに昔の人は耕地を切り拓いたんだなあ。
谷川が流れていて、日当たりもいいからだろう。
山と自転車。
こんな感じの道だった。まあ、あまり通ることはないだろうなあ。都城から串間市大束に
行くなら一番近いかもしれない。
どうでもいい写真。
くたびれてる。
下っていくとすぐに国道222号線にぶち当たる。
右へ行くと日南ダム、酒谷の道の駅だ。もう元気も時間もないので、左折する。
去年の夏日南ダムに行ったとき、この道を通っていて梅干しの無人販売があったなあ、と
思って気を付けて見ていると、あったあった。1パック100円だ。
手作りの梅干しで、シソでしっかり漬け込んであって美味しかったのだ。
間違いなく100円入れた。
こういう事もあろうかと、サドルバッグにはレジ袋をいくつか入れてきている。
汁が漏れるのはいやだなあ、と思ってこういう形になった。
高岡口に戻ってきた。思ったより遠かった。
ここでやっと、渇望していたコーラにありつくことができた。自転車で頑張った後の
コーラは最高に美味い。
よほど疲れていたのだろう。このベンチですわったまま10分ほど居眠りしてしまったぐらいだ。
ここまでで76km走っていた。
ここからまた少し行ったら上らなければならない。鼻切峠が待ちかまえている。
まあしかし都城市内から上ってくるよりはマシだが。
鼻切峠の手前、金御岳への裏道入口に着いた。ここから先はしばらく下りなので、
正直ほっとした。
しかし行きにこの峠を回避したために、だいぶ遠回りをしてしまった。
余計に疲れてしまったかも知れない。
やっと街が見えてきた。
時刻は午後4時を回っていた。こんなに遅くまで掛かるとは思っていなかったので、
街が見えたら意外にも嬉しくて涙が出そうな気分になったほどだ。
警察署のそばを通るときはなぜかドキドキする。
いつ笛を吹かれるのではないかと気が気でない。
やっと家に着いた。
甘いものが食べたくなり、近くのスーパータイヨーでキングチョコといちごチュロスを買った。
そのスーパーの前で、そのジャージかっこいいねえ!と見知らぬおじさん二人組に話しかけられた。「俺も前は自転車乗ってたんだよ~」とか言っていた。
今日の走行距離は94.29kmで、消費カロリーは1517.4kcalだった。
愛猫あんこが退屈そうにしていた。
久しぶりのぼっちポタはこれで終わり。