通り雨で雨宿り
図書館からの帰り、自転車でゆっくりと走っていた。
風が、強く街路樹のこずえを揺すっていた。
信号待ちで空を見上げると、黒い雲が東から流れてきていた。
虹が縦に光っていた。
(雨が降ってきそうだな。)
そう思っているとぽつぽつと小さな滴。
あっという間に大粒の雨に変わった。
お店の軒下でしばらくやり過ごした。
雨宿りなんでほんとうに久しぶりだ。
「突然の通り雨に追われて
雨宿りの場所を探す
不意に君が手をつないできて
僕は少しドキドキした」
こんなフレーズがぼんやりとした頭に浮かんできた
あまりに稚拙な思いつきに少し気恥ずかしくなったが、
何となくそんな甘酸っぱい気分にしてくれた通り雨だった。